日本の行事食
特に見てほしい方
☑︎食品関係で仕事をしている方
☑︎健康管理に興味がある方
☑︎食生活アドバイザー検定を受ける方
はじめに
皆さん、日頃からマクドナルド、ピザーラ、スターバックス、サーティーワン、いきなりステーキばかり行ってませんか?僕はいきなりステーキがめっちゃ好きです。
しかし、日本人たる者、ここでお正月や五節句などの行事ごとにつくられる行事食を学びましょう。今回は日本の伝統を知ってもらうべく、日本人の行事食や通過儀礼を解説していきます。
行事食
特別な行事や祝いごとのあるときを「ハレ」、それ以外の日常を「ケ」といいます。ハレの日には特別な料理をつくり、家族や親類、知人らとともに食事をすることを行事食といいます。
節句
季節の変わり目となる日を節句といい、特別な料理(節供)をつくって祝います。
五節句と節供
月日 |
節句の別名 |
料理(節供) |
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人日 (じんじつ) |
1月7日 |
七草の節句 |
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上巳 (じょうし) |
3月3日 |
ひな祭り 桃の節句 |
散らし寿司、菱餅、桜餅、ハマグリの吸い物、白酒 |
(たんご) |
5月5日 |
菖蒲の節句 こどもの日 |
柏餅、ちまき |
七夕 (たなばた) |
7月7日 |
七夕祭り 笹の節句 |
そうめん、ウリ類 |
(ちょうよう) |
9月9日 |
菊の節句 |
菊酒、手巻き寿司、菊寿司、栗飯 |
五節句は江戸幕府によって公式の祝日として制定され、明治初期に制度は廃止されましたが、節供を食べる風習は今も年中行事として残っています。
その他の年中行事
それぞれ、自然への畏敬の念や豊作の祈り、邪気を払って長寿を願うといった意味が込められています。
年中行事と料理
行事 |
月日 |
行事の内容(料理) |
お正月 |
1月1〜3日 |
門松、注連縄、鏡餅を飾り新年を祝う 〔おせち料理、お屠蘇、雑煮〕 |
鏡開き |
1月11日 |
神仏に供えた鏡餅を下げ、雑煮などに入れる 〔雑煮、あずき汁粉〕 |
節分 |
2月3日 |
ひいらぎの枝にいわしの頭を刺して門口に立て、邪気を払う 〔煎り大豆、恵方巻き〕 |
春のお彼岸 |
3月22日頃 |
その年の春分の日を中日とする1週間 〔ぼた餅、精進料理〕 |
(かんぶつえ) |
4月8日 |
お釈迦様の誕生日を祝う 〔甘茶〕 |
お盆 |
8月13日〜16日 |
先祖の霊を迎えて供養する。関東の一部では7月。 〔精進料理〕 |
お月見 |
9月15日頃 |
十五夜の月を鑑賞し豊作を祝う。秋の七草を生け、里芋を供える。 〔月見団子〕 |
秋の彼岸 |
9月23日頃 |
その年の秋分の日を中日とする1週間。 〔おはぎ、精進料理〕 |
11月23日 |
稲の収穫を祝い、翌年の豊穣を祈る。 〔新しい穀物で作った餅、赤飯〕 |
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12月22日頃 |
1年で昼が最も短い日。柚子湯に入る。 〔かぼちゃ、こんにゃく〕 |
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大晦日 |
12月31日 |
新年を迎える年越しのお祝いをする。 〔年越しそば〕 |
通過儀礼
子供の誕生日・成長の祝いごと
子供が無事に誕生・成長し、健康で長生きできるようにとの願いが込められています。
誕生・成長の祝いごと
帯祝 |
妊娠5ヶ月目の戌の日に腹帯を巻き、妊娠を祝うとともに出産の無事を祈る。 |
生後7日目を祝う行事。子どもの命名をする習わしがある。 |
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初宮参り |
生後30日頃初めて産土神(うぶすながみ)に参詣する行事。出産を報告し、健やかな成長を願う。 |
子どもに初めての料理を作って食べさせる行事。実際は食べるまねごとをさせる。 |
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初節句 |
生後初めての節句。女の子は3月3日。男の子は5月5日。 |
七五三 |
男の子は5歳、女の子は3歳と7歳の11月15日に氏神に参詣する行事。 |
数え年で13歳になった年、知恵と福寿を授かるために虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)に参詣する。 |
長寿の祝い
長寿の祝いを賀寿といいます。賀寿では数え年を基本としますが、最近では満年齢で祝うことも増えてきています。
様々な賀寿
賀寿 |
年齢 |
語源 |
還暦 (かんれき) |
61歳 |
60年経つと生まれた年の干支に再び還ることから |
古希 (こき) |
70歳 |
唐の詩人杜甫(とほ)の「曲江詩(きょっこうし)」の中に出てくる「人生七十古来稀なり」から |
(きじゅ) |
77歳 |
「喜」の草書体が七十七に見えることから |
傘寿 (さんじゅ) |
80歳 |
「傘」の略字が八十と読めるから |
米寿 (べいじゅ) |
88歳 |
「米」という字を分解すると八十八だから |
卒寿 (そつじゅ) |
90歳 |
「卒」の略字が九十と読めるから |
白寿 (はくじゅ) |
99歳 |
「百」から「一」をとると「白」という字になることから |
おわりに
よく目にしたり、耳にしたりする単語があったかと思います。今や、インターネットの普及や国際化が進み、日本の古来からの行事を行う習慣がなくなりつつあります。日本の古来からの伝統を生活に取り入れてみるのも楽しいかもしれません。