【5分で納得】ミールソリューション
特に見てほしい方
☑︎食品関係で仕事をしている方
☑︎健康管理に興味がある方
☑︎食生活アドバイザー検定を受ける方
はじめに
今までは家庭内で食べることがメインでしたが、最近では外食が増えてきています。私も、仕事の合間のお昼は、ご飯を食べに行くことが多いです。
今回は、食の外部化の背景や食に関するあらゆる問題の解決策を解説していきます。
食事のあり方
目指すべき食事
食事を通じて家族や仲間とのコミュニケーションを図り、食事作りにも参加して、食生活に関する知識や技術を身につけながら、楽しく美味しく食べられる食事が理想的といえます。
かつては家族が同じ時間に一緒に食事をすることが一般的でした。しかし、近年ではライフスタイルの変化や単身者世帯の増加などに伴い、家族揃って食事をする機会が減少傾向にあります。
問題のある食事
孤食
一人きりで食事をすることを孤食といいます。核家族で共働きが、当たり前となった現在、孤食する人が増えています。栄養素の摂取が偏りがちになり、子供の場合は心の状態にまで影響の出ることが指摘されています。
個食
家族が揃っていても、一人ひとりが異なる内容の食事を取ることを個食といいます。家族間で美味しさを共感する楽しみが減り、栄養素の摂取も偏りがちになります。また、一人ひとりが異なる内容の食事をとる理由として、食物アレルギー問題などが増えてきたことも挙げられます。
欠食
食事を抜くことを欠食といいます。規則正しい食事が難しくなってきているほか、ダイエット志向なども要因として挙げられます。特に、朝食の欠食が増えており、食生活リズムの乱れを助長しています。
ミールソリューション
食の外部化
かつては生鮮食品を購入し、それを家庭で調理して家族一緒に食べるというスタイル(内食)が一般的でした。ところが、1970年代にファミリーレストランやファーストフードが普及、定着し、「外食」が産業として発達しました。さらに、1990年代には内食と外食の中間形態としてスーパーマーケットやデパ地下(デパートの地下にある食料品売り場)の惣菜、コンビニエンスストアなどの弁当が「中食」と呼ばれて急成長しました。
内食 |
生鮮食品を購入し、家庭内で調理して家庭内で食べること。 |
外食 |
レストランやファーストフード店での食事、学校給食など、家庭の外で食べること。 |
中食 |
内食と外食の中間形態。スーパーマーケットやデパ地下の惣菜、コンビニエンスストアの弁当を家庭に持ち帰って食べること。 |
外食や中食といった食の外部化が進んだ要因としては、女性の社会進出が挙げられます。その他調理に時間をかけられない人に取って、手間をいかにして省くかは切実な問題です。少子高齢化が進み、一人暮らしや夫婦だけの世帯が増えたことも一因といえるでしょう。
消費者が抱えている食の問題について共に考えよりよい解決策を提供することはとても重要です。
ミールソリューション
食に関するあらゆる問題点について、解決策を提案して行く手法をミールソリューションといいます。1990年代、アメリカのスーパーマーケット業界が外食産業に対抗するために打ち出したマーケティング戦略であり、これによって、以前は生鮮食品の提供を中心としてきた小売店が「食卓を提案する」という新しいスタイルへと変化しました。また、品揃えや売場作りなどにもさまざまな工夫が見られるようになりました。
いろいろなミールソリューション
デパ地下
デパートの地下にある食料品売り場です。特に惣菜や弁当、スイーツ、酒類が充実しています。有名店がテナントとして出店していることが多く、集客効果をもたらします。
駅ナカ
電車の駅構内に展開している店舗をいい、惣菜店や高級スーパーなどが出店しているところもあります。通勤途中に利用できるので便利です。
ホテイチ
ホテルの1階にある惣菜のテイクアウトコーナーのことをいいます。宿泊客でなくても利用することができ、ホテル特有の高級食材を使った総菜や焼きたてのパンなどが販売されています。
デリカテッセン
持ち帰り用の洋風惣菜やサンドイッチなどを販売する飲食店をいいます。店内がカジュアルレストランやファーストフード店になっているところもあります。
ホームミールリプレースメント
ホームミールリプレースメント(HMR)とは、直訳すると「家庭の食事に代わるもの」という意味です。
元々は、アメリカの食品小売業や外食産業が、中食市場に参入してきた時に使ったキャッチフレーズであり、簡単な調理をするだけ、あるいは、盛り付けるだけで食卓に出せる食事をいいます。
HMRの4つの形態
- Ready to prepare(レシピと材料が準備されている)
- Ready to cook(下ごしらえまでされている)
- Ready to heat(温めるだけで食べられる)
- Ready to eat(盛り付けるだけで食べられる)
単身者の増加、働く女性の増加など社会的環境変化の中で、外食や中食の傾向が強くなりましたが、毎日の食事を外食や中食だけで済ますのは、経済的な理由はもちろん、特に子供を持つ親にとっては抵抗感が強いものです。そこで、ミールソリューションの一つの手法として、簡単な調理して食べられるHMRが広く利用されるようになりました。
加工食品メーカーも利便性を追求した冷凍食品やチルド食品を強化し、電子レンジやオーブンで1度に容器ごと加熱して食べられる食品などが数多く登場しています。
おわりに
家族と一緒に食べるという食は、時代と共に変化し、今やさまざまになりました。ただ、食事を通じて家族や仲間とのコミュニケーションを図り、食事作りにも参加して、食生活に関する知識や技術を身につけながら、楽しく美味しく食べられる食事を忘れずに大切にしていきましょう。