【5分で納得】消費生活の保護
特に見てほしい方
☑︎食品関係で仕事をしている方
☑︎健康管理に興味がある方
☑︎食生活アドバイザー検定を受ける方
はじめに
皆さんは、とあるURLをクリックして、「◯万円振り込まなければ、このロックを解除できません!」などのワンクリック詐欺に出会ったことはありますか?僕は調べ物をしているときに誤ってクリックした際に、そのようなサイトに飛んでしまったことがあります。ぜひ、お気をつけください。その時は、お金は振り込まないことです。
現代社会では、さまざまな売り方が発達してきましたが、その中で悪質な売り方の種類も増えてきました。
今回は、悪質商法の種類や対処法を解説していきます。
悪質商法とその対策
代表的な悪質商法の手口
契約をめぐるトラブルに巻き込まれた場合には、法律などによる対処もできますがどんな手口があるかを知っていくことは予防策として有効です。
キャッチセールス
路上でアンケート調査などと称して近づき、喫茶店や営業所に連れ込んで契約させる。
アポイントメントセールス
「あなたが選ばれました」などと電話やメールで呼び出し契約をさせる。
かたり商法
制服らしきものを着用し、官公署は大手メーカーから来たように勘違いさせて商品を売りつける。
ネガティブオプション(送りつけ商法)
商品を勝手に送り付け、断らなければ、購入を承諾したものとみなして代金を請求してくる。
SF商法(催眠商法)
会場に多くの人を集め、買わないと損をさせるような雰囲気を作り、契約させる。SFは「新製品普及会」の頭文字。
内職商法
内職で収入が得られると言って勧誘し、その仕事に必要な物品などを購入させ、仕事は紹介しない。
霊感商法
先祖の祟りを感じるなどと言って、印鑑や壷などを不当に高い金額で売りつける。
マルチ商法
商品を購入させて買い手が増えるごとに手数料が入ると言って商品の買い手を探させ、次々と人を引き込む。
フィッシング詐欺
金融機関のウェブサイトなどを予想ってカードの暗証番号などを入力させて悪用する。
原野商法
必ず値上がりすると偽って、ほとんど価値のない原野などの土地を不当に高い金額で売りつける。
モニター商法
商品モニターになるとモニター料がもらえると言って商品を購入させ、モニター料を支払わない。
電話勧誘商法
自宅や職場に電話をかけて資格講座などの勧誘を行ない、契約を結ばせる。
クリーニング商法
電話で布団、エアコンフィルターなどのクリーニングを勧められて作業をしてもらうと、高額な作業料を請求されたり、器具を買わされたりする。
悪質商法への対処
契約の不成立
売買契約は「売りましょう」という申し込みの意思表示と、「買いましょう」という承諾の意思表示とが合致した時に成立します。売買契約が成立すると、売り主には商品を引き渡す義務が生じ、買い主には代金を支払う義務が生じます。
ネガティブオプションの場合は勝手に商品を送りつける行為が申し込みに当たるとしても、それに対して送りつけられた側が承諾の意思表示をしない限り契約は不成立です。したがって、請求書が送られてきても代金を支払う義務はありません。
意思表示の取り消し
権利を得るのも義務を負うのも個人の自由な意思によるべきです。そのため、民法では、詐欺又は強迫による意思表示は取り消すことができるとしています。取り消すと契約は最初からなかったことになります。
契約の解除
契約が成立しているのにも関わらず、契約当事者の一方が義務を果たさない時(債務不履行)、相手方は契約を解除することができます。
消費者を守る法律・制度
特定商取引法
1976年に制定された「訪問販売等に関する法律」が2000年に「特定商取引に関する法律(特定商取引法)」に改正された際に、規制対象が拡大されました。この法律は、事業者による違法、悪質な勧誘などを防止し、消費者の利益を守ることを目的としています。
特定商取引の対象となる取引
訪問販売
販売業者が通常の店舗以外の場所で行う販売のほか、特定の方法で誘った客を通常の店舗に同行して行う販売も含まれる。
通信販売
新聞、雑誌、インターネットなどで広告している商品を郵便や電話、インターネットなどの方法で購入申し込みを受け付ける取引。
電話勧誘取引
電話で勧誘し、申し込みを受け付ける取引。電話がかかってきたあと、消費者が郵便や電話などによって申し込む場合も含まれる。
マルチ商法のこと。
長期間、継続的に役務やサービスを提供し、代金を支払わせる取引。
内職商法のこと。
訪問購入
購入業者が消費者の自宅を訪問し、自宅にある品物を買い取る取引。
悪質商法の場合、販売業者は商品を引き渡すので、債務不履行を理由として契約を解除することは困難です。そこで、特定商取引法などではクーリング・オフという制度を定めています。クーリングオフとは「頭を冷やして考え直す」という意味です。
消費者契約法
Proの事業者が熱心に商品の説明をするので、仕方なく買ってしまったなどという場合には騙されたとも落とされたとも言いにくいため、詐欺や強迫を理由として取り消すことは難しいと言えます。
そこで消費者契約法が制定され、事業者と消費者が契約を結ぶ際に事業者に以下の行為があった場合には契約の取り消しができることになりました。
契約を取り消せる取引の例
- 契約の重要事項について事実と異なることを告げる。
- 消費者宅や職場に長時間居座り、なかなか帰らない。
- 消費者をどこかに誘い出し、帰らせてくれない。
クーリングオフ制度
クーリングオフ制度によって消費者は、理由を問わず、一定期間内であれば契約を解除することができます。払っていた代金は返還されます。商品を受け取っている場合には、販売業者が費用を負担して引き取ります。さらに、工事などが行われた場合には、元の状態に戻すように請求することもできます。
クーリング・オフができる期間
訪問販売 キャッチセールス、アポイントメントセールス、SF商法(催眠商法)など |
8日間 |
電話勧誘取引 |
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エステ、語学教室、結婚相手紹介サービス |
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訪問購入 |
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20日間 |
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内職商法、モニター商法など |
クーリングオフは必ず書面で行いますこの書面がクーリングオフ期間中に発送されたことを明らかにするためには内容証明郵便で起こるのが確実です内容証明郵便であれば文章の内容や発送日が公的に証明されるからです。
解約すれば契約は最初からなかったことになり、支払っていた代金は返還されます。商品を受け取っている場合は、販売業者が費用を負担して引き取ります。さらに、工事などが行われていた場合には、元の状態に戻すよう請求することもできます。
不法行為と製造物責任法
不法行為と過失責任主義
不注意で人に怪我をさせたり、他人の品物を壊したりするときは、それによって生じた損害を賠償しなければなりません。このような行為を不法行為といい、加害者に故意(わざと)または過失(不注意)のあることが不法行為の成立要件とされています。
逆に言うと、過失がない限りは責任を負わなくて済むのです。これを過失責任主義といいます。そして、加害者に過失があったことは、原則として被害者側が証明しなければなりません。
製造物責任法(PL法)
例えば、テレビを見ていたらそのテレビが爆発して大怪我をしたという場合、製造したメーカーに賠償を求めたいけれど、専門的な知識を持たない消費者にとってメーカーの過失を証明することは非常に困難といえます。そこで製造物の欠陥によって人の生命、身体又は財産に被害が生じた場合は、その製造業者が無過失であっても賠償責任を負わせるという法律ができました。それが製造物責任法(PL法)です。PL法によれば、メーカーの過失を証明する必要はなく、爆破したテレビに欠陥が認められれば、損害賠償を請求することができます。
対象となる製造物とは、製造又は加工されたものをいいます。そのため、加工食品である冷凍食品や缶詰、食用油などが該当しますが、未加工の生鮮食品は含まれません。責任を負う製造業者には、製造者と加工者のほか、輸入業者も含まれます。
おわりに
悪質商法は時代とともにさまざまな形に変化していきました。もし、悪質商法に出会った際は焦らず、クリーニングオフ制度等を利用しましょう。それでも解説しない場合は、友人や家族に相談してください。もし、納得できない部分があるのなら、絶対にお金を言われた通りに払ってはいけません。