【5分で納得】意思表示
特に見てほしい方
☑︎宅建士試験を受験したい方
☑︎不動産関係の仕事をしている方
☑︎不動産に興味がある方
はじめに
詐欺や強迫、嘘をつくなど、嫌なことをされた経験はありますか?僕は小学生の時に仲間外れにされて、遊ぶ約束で嘘の集合場所を教えられて、集合場所に誰もいなかった経験があります。非常に辛かったです。みなさんは他人を傷つけることはやめてくださいね。する側もされる側も誰もいい思いをしませんので。
今回はそのような嘘をつくなどの意思表示を解説していきます。
意思表示
意思表示とは自分の意思を相手に対して表すことをいいます。契約は、原則として申込みと承諾の二つの意思表示が合致して成立します。しかし、騙されて契約しまった場合(詐欺)や、脅されて契約してしまった場合(脅迫)、嘘の意思表示で契約した場合(虚偽表示)などもあります。ここでは、このような場合における契約の有効性についてみていきます。
詐欺
詐欺とは、相手を騙して勘違いさせることをいいます。詐欺によってなされた意思表示は原則として取り消すことができます。
原則
詐欺による意思表示は取り消すことができます。
ポイント
- この取消しは、善意の第三者には対抗することができません。
例外
第三者の詐欺によってなされた意思表示は、相手方が善意の場合には、取り消すことができません。
強迫
強迫とは、相手を脅すことをいいます。脅迫によってなされた意思表示は、取り消すことができます。
ポイント
虚偽表示(通謀虚偽表示)
虚偽表示(通謀虚偽表示)とは、相手方と示し合わせて嘘の意思表示をすることをいいます。虚偽表示による意思表示は、当事者間では無効となります。ただし、その無効を善意の第三者に対抗することはできません。
当事者間
虚偽表示による意思表示は無効。
対第三者
善意の第三者に対しては、その無効を対抗することはできません。
ポイント
- 第三者には転得者も含まれます。
第三者が悪意で転得者が善意の場合
無効を転得者に対抗できません。
第三者が善意で転得者が悪意の場合
無効を転得者に対抗できません。
錯誤
錯誤とは勘違いで意思表示をすることをいいます。
要素の錯誤
錯誤による意思表示の場合、契約の重要な部分に錯誤(要素の錯誤)があるときは無効となります。ただし表意者(意思表示をした人)に重大な過失がある場合には無効を主張することはできません。
原則
要素の錯誤による意思表示は無効。
例外
表意者に重大な過失があった場合には表意者は無効を主張できません。
ポイント
- 錯誤の無効を主張できるのは原則として表意者。
- この無効は、善意の第三者にも対抗できます。
動機の錯誤
要素の錯誤に対して、「動機の錯誤」というものがあります。動機の錯誤とは、意思と表示は一致しているが、意思を形成する過程(動機)に錯誤があることをいいます。例えば、いま売れれば課税されないと思って【動機】、甲土地を売ろうと思い【意思】、「甲土地を売ります」と言って【表示】、甲土地の売買契約を結んだけど、実際には勘違いで課税された、という場合です。この場合には、要素の錯誤とはならないので、原則として、表意者は無効を主張することはできません。ただし、動機が表示されて(「今売れれば課税されないから、甲土地を売りますと言うなどして」)、当事者の意思解釈上、法律行為の内容とされたと認められる場合には、要素の錯誤が成立するとされています。
心裡留保
心裡留保とは、表意者が本心ではないことを自分で知っていて意思表示をすること(冗談を言ったり、嘘をつくこと)をいいます。心裡留保による意思表示は、原則として有効となります。
原則
心理留保による意思表示は有効。
例外
以下の場合には無効。
- 相手方が悪意であった場合。
- 相手方が善意有過失であった場合。
おわりに
意思表示は身近なことを例にして、当てはめていくことで理解できると思います。心裡留保も日頃のことを具体例として、読むと理解度が上がります。