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ストレスでの休職者の復帰までの流れ

 

1.職場復帰支援について

職場で「ストレスが原因の休職者が職場復帰した際のフォローの流れがわからない。」「精神的な負担から回復した社員にどのような対応をしてよいのかわからない。」と感じることがあると思います。どうしても精神疾患の場合、復職時点で100%元の状態に回復していることはそれほど多くないので、職場全体の理解と協力が必要です。

そのような時のために、厚生労働省により「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が2014年10月に発表されましたので、そこで示されている5つのステップをざっくりまとめました。この手引きを参考にして、個々の職場の実態に合わせた職場復帰プログラムやルールを策定することで、休職者本人の再発防止につながるだけでなく、職場全体にお互いをケアする優しい職場を作ることができます。

 

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2.職場復帰支援のステップ

(厚生労働省、心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き)

【第1ステップ】病気休業開始および休業中のケア

職場復帰支援は休業の判断がなされた時点から始まります。

◯病気休業時の労働者からの診断書の提出
管理監督者によるケアおよび事業場内産業スタッフ等によるケア
◯病気休業期間中の労働者の安心感の醸成のための対応

重要な決定については回復してから考えてもらい、まずは療養に専念してもらいます。

 

【第2ステップ】主治医による職場復帰可能の判断

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主治医が復職可能の診断書を出しても、ただちに職場復帰を認めるのはやめましょう。

◯労働者からの職場復帰の意思表示と職場復帰可能の判断が記された診断書の提出
産業医などによる精査

 

【第3ステップ】職場復帰の可否の判断および職場復帰支援プランの作成

◯情報収集と評価

・労働者の職場復帰に対する意思の確認

生活記録表をつけてもらうなど職場復帰の準備をしてもらいましょう。

産業医などによる主治医からの意見収集

本人の同意を得た上で、産業医を通じて依頼しましょう。

・労働者の状態等の評価

・職場環境等の評価

◯職場復帰の可否についての判断

本人の症状や職場環境の評価や復帰後の業務内容等をもとに判断しましょう。

◯職場復帰支援プランの作成

・職場復帰日

管理監督者による就業上の配慮

・人事労務管理上の対応

産業医等による医学見地からみた意見

・フォローアップ

 

【第4ステップ】最終的な職場復帰の決定

会社として職場復帰の判断をしましょう。

◯労働者の状態の最終確認
◯就業上の配慮等に関する意見書の作成
◯事業者による最終的な職場復帰の決定

 

【第5ステップ】職場復帰後のフォローアップ

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◯疾患の再燃再発、新しい問題の発生等の有無の確認
◯勤務状況および業務遂行能力の評価
◯職場復帰支援プランの実施状況の確認
◯治療状況の確認
◯職場復帰支援プランの評価と見直し
◯職場環境等の改善
管理監督者、同僚等への配慮


 

3.まとめ

ストレスが原因の休職者へのサポートは非常に難しいことだと思いますが、手引き等を参考にして、職場全体で、職場復帰支援に向き合うことで、「休職しても、きちんと復帰できる。」という考えが職場内に広がっていきます。そして、休職者がこれからのセルフケアや自分の考え方、仕事生活への向き合い方を見つめ直す機会にすれば、再発防止だけでなく、そこから人生を病気になる前以上に豊かにすることができます。