栄養・運動・休養
特に見てほしい方
☑︎食品関係で仕事をしている方
☑︎健康管理に興味がある方
☑︎食生活アドバイザー検定を受ける方
はじめに
皆さん、コロナの影響で自宅で過ごす時間が増えていませんか?私はひたすらNetflixを見ています。
自宅での時間がたくさんある方ほど、自分の思うように時間を使うことができていないと感じていると思います。健康的な生活ができず、ついついお菓子を食べすぎてしまったり、からだを動かせなかったりすると逆に疲れた生活になってしまいます。
今回は健康になるために必要な運動と健康について解説していきます。
健康
WHO(世界保健機関)はWHO憲章の中で、健康を、肉体的な健康だけでなく、精神的にも社会的にも健全な状態であると定義しています。
近年、過剰な労働や社会環境からストレスを受け、様々な疾患を発症する人が多くなっています。人間が生きていく上である程度のストレスは必要とされていますが、過度のストレスは身体のバランスを維持している自律神経に悪影響を与えます。
労働者のストレスに対応するため、2015年からは「労働衛生法」に基づいて、労働者が50人以上の事業所では毎年1回すべての労働者にストレスチェックを実施することが義務付けられています。自分のストレスの状態を知ることで、「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防止することができます。
健康を維持し増進するためには、栄養素の摂取だけでなく、規則正しい生活における適度な運動や十分な休養など、生活要素のバランスが大切です。特に栄養、運動、休養は、健康になるための3大要素です。
栄養
食事は人間がからだを維持するために欠かせないものです。しかし、「××は〇〇によい」という話を信じ、偏った食事を取ることは体調を崩したり、疾患の発症につながりかねません。ダイエットのつもりがダイエット効果はなかったり、持病のある人が持病を悪化させたり、さらに他の疾病を併発することもあります。
健康を維持するためには日常生活の中で、バランスのとれた適切な食事を心がけることが大切です。
生活習慣病予防のための食事の注意点
疾病 |
注意 |
糖尿病 |
・規則正しい食事 ・よく噛んで食べる ・バランスよく多種類の食品を食べる 【控えるもの】 量(腹八分目)、塩分、高カロリー、高タンパクの食品、砂糖 【積極的に摂るもの】 食物繊維(野菜) |
高血圧症 |
・規則正しい食事 ・ゆっくり時間をかけて食べる ・バランスよく多種類の食品を食べる 【控えるもの】 エネルギー(肥満の場合は減量する)、塩分、夜食(夕食は軽く) 【積極的に摂るもの】 食物繊維(野菜)、たんぱく質 |
心疾患 |
・規則正しい食事 ・ゆっくり時間をかけて食べる ・バランスよく多種類の食品を食べる 【控えるもの】 塩分、夜食(夕食は軽く) |
・規則正しく、ゆとりある生活 ・ゆっくり時間をかけて食べる ・バランスよく多種類の食品を食べる 【控えるもの】 エネルギー(肥満の場合は減量をする)、塩分、脂肪・コレステロールの多い食品 |
|
・バランスよく多種類の食品を食べる ・動物性脂肪ではなく植物性脂肪を摂る 【控えるもの】 塩分、コレステロールの多い食品 |
|
胆石症 |
【控えるもの】 脂肪・コレステロールの多い食品、カフェイン、アルコール、炭酸飲料、香辛料 【積極的に摂るもの】 食物繊維(野菜) |
貧血 |
【積極的に摂るもの】 |
運動
身体活動の意義
身体活動とは安静時よりも多くのエネルギーを消費する全ての動作をいい、日常生活における労働、家事、通勤・通学等の「生活活動」と、体力の維持向上を目的として計画的・継続的に実施される「運動」に分けられます。厚生労働省は身体活動を増やすと生活習慣病や加齢に伴う生活機能低下(ロコモティブシンドローム、認知症等)のリスクを下げられるとして「健康づくりのための身体活動基準2013」を策定しました。
身体活動の考え方
<身体活動(生活活動・運動)の考え方>
現在の身体活動量を少しでも増やす。例えば、今より毎日10分ずつ歩くようにする。
<運動の考え方>
運動習慣をもつようにする。具体的には30分以上の運動を週2日以上行う。
有酸素性運動と無酸素性運動
有酸素性運動(エアロビクス)
ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなど比較的弱い力で継続的に筋肉にかかる運動です。酸素を使って体脂肪を燃焼することによりエネルギーを生み出します。運動開始後20分程で皮下脂肪や内臓脂肪が消費されるようになるため、20分以上継続すると肥満の解消に効果があります。
無酸素性運動(アネロビクス)
短距離走や筋力トレーニングなど、短時間に強い力を発揮する運動です。無酸素性運動では酸素を使わず、グリコーゲン(糖質)を分解することによってエネルギーを生み出します。脂肪は消費しませんが、筋肉がつくことで基礎代謝量が上がるため、肥満の解消にもつながります。
ただし、糖質を分解するときには乳酸という物質が生じ、これが筋肉に多量に蓄積すると筋肉の収縮が妨げられるため、無酸素性運動は短時間しかできません。
運動の効果
◯体脂肪を減らし、筋肉量を増やす
◯皮膚・筋肉・骨などを活性化させ、老化を遅らせる
◯ストレスを発散させ、免疫力を高める
◯からだが軽くなり、行動範囲が広がる
ただし、運動の効果は約72時間しかもたないとされています。3日に1度は運動をすることが望ましいとされています。
準備運動にストレッチを取り入れるとさらに運動の効果が上がります。また、運動後の整理運動をしてストレッチを行うと、筋肉にたまった乳酸の除去を早め、疲れを取るという効果があります。
休養
休養には、疲労回復のために「休む」という側面と明日への活力を「養う」という側面があります。休養は消極的休養法と積極的休養法の2種類に分けられます。
消極的休養法
睡眠やただ何もせずにゴロゴロするなど、身体活動を伴わない安静な状態での休養をいいます。
積極的休養法
スポーツや旅行、社交的活動への参加など、仕事と異なる活動を行うことによって疲労回復を図る休養です。肉体的な疲労に加え、精神的なストレスが疲労の大きな原因となっている現代社会では、消極的休養だけではリフレッシュが難しいといえます。そのため、積極的休養が重視されるようになりました。
消極的休養法と積極的休養法のバランスを考えて、規則正しい生活を送ることが重要です。
おわりに
健康な生活を送るために重要な栄養・運動・休養を意識して過ごしてみてください。そうすることで気持ちよく日々を送ることができます。私が筋トレを始めたのも、食生活を勉強し始めたのも、日々を有意義に過ごすためです。ぜひ、今日の解説をお役に立ててください。