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食中毒の予防

特に見てほしい方

☑︎食品関係で仕事をしている方

☑︎健康管理に興味がある方

☑︎食生活アドバイザー検定を受ける方

 

 

はじめに

 皆さんは家でご飯を作るとき、衛生面に気を付けていますか?僕は今回のことを勉強するまで、正直あまり意識していませんでした。

 やはり、なんでめんどくさい洗い物をするのか等の理由を知らなければ、やろうと思わないものです。今回はなぜ衛生面に気を使わなければならないのかという食中毒の予防を解説していきます。

 

食中毒事故

食中毒の発生状況

 食中毒はその多くが細菌またはウイルスを原因としております。

 食中毒の発生状況は地域の気候風土や医療を含めた社会環境によっても大きく左右されることがあります。また、食品の製造・加工過程だけでなく、流通形態や消費者のライフスタイルなど、さまざまな要因が影響しています。近年、食生活の欧米化とともに肉食が増え、カンピロバクターを原因とする食中毒事件が多くなっているのもその一例と言えます。

細菌が増殖するための条件は栄養素・湿度・温度の3つです。梅雨時期から高温多湿の夏場に掛けては細菌が増殖しやすく、細菌性の食中毒は6月から10月に発生件数が多くなります。細菌性の食中毒以外では、毒キノコによるものが秋、ふぐを原因とするものは冬に集中します。ノロウイルスを原因とする食中毒は冬季を中心に大変多く発生するため、年間を通じた対策が必要です。

 

食中毒の届出

 患者を毒素と診断した医師は、最寄りの保健所に届け出ることが食品衛生法で義務付けられています。原因物質や感染経路を判明させることと、二次感染を防ぐことが目的です。また、これにより全国規模での集計が行われます。ただし、届出があったものに限られるため食中毒発生の実態をすべて把握することは難しいとされています。

 

食中毒の予防

食中毒予防の3原則

細菌をつけない(清潔)

 最近がテレビや調理器具などを介してほかの食品に汚染しないよう手洗いを行い、調理する環境を清潔に保ちます。

 

手洗いの手順

・手を水で濡らしてから石鹸をつける

・30秒以上かけて手全体、指、指の間、指先をハンドブラシを使って洗う

・20秒以上かけて石鹸を流水で洗い流す

逆性石鹸液をつけてもみ洗いする

・20秒以上かけて流水ですすぐ

・ペーパータオルや温風機で手の水気をとる

 

細菌を増やさない(迅速・冷却)

 細菌を増殖させないよう調理を迅速に行い、速やかに食べることが大切です。また、細菌の多くは冷却により増殖しにくくなるため、冷蔵庫で食品を保存(10℃以下)するようにします。

 

細菌を殺す(加熱・消毒)

 細菌は一般に熱に弱いため、中心部まで十分に加熱することが大切です。また、調理器具を洗浄した後は熱湯や塩素剤などで消毒をすると効果的です。

 

3原則を踏まえた調理の際のポイント

  • 生の肉、魚、卵を取り扱った後は必ず手を洗う。また、途中で動物に触ったりトイレに行ったり鼻を噛んだりした後の手洗いも必ず行う。
  • 肉や魚の汁が、果物やサラダなど生で食べられる食品や調理済みの食品にかからないようにする。
  • 生の肉や魚を切った後は包丁やまな板を洗って熱湯をかけたのちに使うことが大切(そのまま、果実や野菜など生で食べる食品や調理済みの食品を切らない)。
  • 包丁やまな板は肉用・魚用・野菜を別々に揃えて使い分けることが望ましい。必ず洗浄し、こまめに熱湯消毒を行う。
  • ラップや包装されている野菜やカット野菜であっても、調理の際はよく洗ってから使用する。
  • 冷凍食品の解凍は、冷蔵庫の中や電子レンジで行う。

 

微生物の制御に関する用語

滅菌

対象物からすべての微生物を死滅させて、完全な無菌状態にすること。

殺菌

一般には、微生物を死滅させる操作(加熱、薬剤処理など)をいう。殺菌しても、一部の微生物は生存している場合がある。

除菌

微生物の死滅を伴わず、洗浄・ろ過・沈殿などの物理的方法によって取り除くこと。

抗菌

微生物の発生・生育・増殖を阻止したり、抑制したりすること。

静菌

低温貯蔵や塩蔵などの状態で、微生物の増殖を阻止し、又は抑制すること。

消毒

有害な微生物のみを死滅または減少させ、感染の危険性を除いた状態にすること。

 

衛生管理の5S活動7S活動

 食品製造工場や調理場、食品倉庫、食品売り場などで食中毒事故を予防するには、次の5つの事項の実践が重要とされています。これを「5S活動」といいます。

 なお、食品製造工場などでは、さらに2つを加えた「7S活動」の実践が行なわれています。

 

  • 整理
  • 整頓
  • 清掃
  • 清潔
  • 殺菌
  • 洗浄

 

洗浄や消毒に使用する薬剤

食品・野菜用中性洗剤

 界面活性剤の作用で油などの汚れを落とします。

 

エタノール製剤

 細菌の細胞膜を通過します。アルコールが主成分なので、調理器具のほか食品やテレビにも使用できます。

 

塩素系洗剤

 次亜塩素酸ナトリウムが主成分。殺菌剤として洗剤やキッチン用に使用されるほか、野菜などの食品にも使われます。

 

酸素系洗剤

 過炭酸ナトリウムなどが成分。食器や布巾などの漂白、除菌に使用されます。

 

逆性石鹸

 洗浄作用が弱い反面、強い消毒力を持つ石鹸です。

 

調理者の衛生管理

 食中毒を予防とするためには、調理者が発生源にならないことが重要です。皮膚や鼓膜に傷がある時には調理を行わないようにします。傷が化膿している時には黄色ブドウ球菌が繁殖している可能性があるため、特に注意が必要です。

 また、定期的に健康診断を受けたり、月に1度検便を行うなど、健康管理を徹底することも求められています。

 

おわりに

 特に生もの扱いには厳重な注意が必要です。また、生ものに対して使った調理器具もしっかりと清潔にしましょう。くれぐれも食中毒には気を付けて、楽しい食生活を送ってください。