経営戦略と物流
特に見てほしい方
☑︎食品関係で仕事をしている方
☑︎健康管理に興味がある方
☑︎食生活アドバイザー検定を受ける方
はじめに
コンビニで買い物をしたことない人はいないと思います。みなさんはコンビニやスーパーに行って、本当に買いたいものだけを買っていますか?商品の棚の置き方で選ばされていませんか?
ご存知の方も多いと思いますが、お店はお客様に商品を買ってもらう工夫を非常に凝らしています。なので、今回は経営戦略と物流を解説します。
マーチャンダイジング戦略
マーチャンダイニング
どのような商品を、いくらで、どのように提供するのかを計画し実行することをマーチャンダイジング(商品化計画)といいます。限られた売り場スペースで上げられる利益を最大化するための方策といえます。
マーチャンダイジングの流れ
計画
↓
仕入れ・品揃え
↓
価格の設定
↓
陳列
↓
販売活動
値入れと値つけ
仕入れ値に利益を上乗せして売り値を決めることを「値入れ」と言います。これに対し、「値つけ」とは、売値を表示したプライスカードやシールなどを商品につける作業をいいます。
リードタイム
商品発注してから納品されるまでに要する時間。
「品切れ」と「欠品」
商品が売り切れて在庫がなくなることを「品切れ」といいます。一方、発注や配送ミスなどによって予定していた数量の商品を取り揃えていない状態(または不足している商品)を「欠品」といいます。
機会損失(チャンスロス)
品切れや欠品がなければ得られていたはずの売上や利益を失うことです。機会ロスともいいます。
先入先出
在庫管理において商品の鮮度維持と回転率を高めるため、先に入荷した商品から先に売れるように陳列する方法をいいます。牛乳や豆乳などの日配品は鮮度管理が重要なため先入先出が基本とされています。
エンド
食品陳列棚の両端に位置する、顧客の目に留まりやすい場所をいいます。エンド陳列されるのは、商品や季節商品、重点販売商品などです。
フェイス
商品陳列などに陳列されている商品パッケージの正面を意味します。「フェイス数」といい、陳列棚にどれだけの数量を並べたかを表す単位にもなります。
補完商品と代替商品
補完商品とは、コーヒーと角砂糖のように両方とも一緒に入れる可能性がある商品の事をいいます。一方、代替商品とはバターとマーガリンのようにどちらかが売れれば他方は売れない可能性がある商品の事をいいます。
POSシステム(販売時点情報管理)
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどのレジでは、商品に付けられたバーコードを読み取って清算を行います。この時、どの商品が、いつ、いくらで、何個売れたかといったデータが記録されます。このように商品が販売された時点で商品情報を記録し、その集計結果を在庫管理やマーチャンダイジングに活用するシステムのことをPOSシステム(販売時点情報管理)といいます。
在庫状況が即座に分かる為、品切れや欠品をなくして、機会損失を減らすだけでなく、データを元にした計画的な品揃えや食品陳列が可能となります。また、マーケティングが容易になるため、プライベートブランドの開発にも役立ちます。
進化する物流
消費者起点流通
POSシステムの発達によって売れ筋商品・死に筋商品の情報を小売業者が的確に努めるようになったことから、消費者ニーズがより直接的にマーケティングに影響を与えるようになりました。
従来のような「生産したから保管する」「注文があったから出荷する」という形ではなく、「売れる物を売れる時に売れる数だけ納品する」という流通形態に変化してきたのです。このような、消費者を中心とした流通形態を消費者起点流通といいます。
ロジスティックス
顧客サービスを中心として、物流を効果的総合的に行うシステムをロジスティックスといいます。物流を戦略的に捉えて管理する技法であり、輸送だけでなく在庫計画保管や包装二百などの業務を含め。 企業経営における物資の移動について体系的に捉え、効率的な運営を目指そうというものです。
ロジスティックスを実現するためにの仕組みの一つに、「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」供給するジャストインタイムというシステムがあります。これは、トヨタ自動車が部品調達の効率化図るために開発した「かんばん方式」と呼ばれる手法を流通に応用したもので、「多品種・小口・多頻度」の物流を可能にします。コンビニエンスストアを中心とした大手小売業の多くは、在庫を増やしたくないこと、惣菜や弁当など鮮度を大切にする商品が多いなどからジャストインタイム物流(多頻度小口配送)を導入しています。
SCM(サプライチェーンマネジメント)
原材料の調達から生産、流通へと商品が最終消費者に至るまでの流れを「供給連鎖(サプライチェーン)」として捉え、その全体を、自社だけでなく、仕入先や取引先をも含めてコントロールすることをいいます。責任範囲を明確にし、コスト改善を図り、利益配分を実現化していくシステムといえます。
グリーンロジスティックス
企業にとって効率的であっても、物流は交通渋滞を招いたり、排気ガスによる大気汚染の原因となったりするなど環境問題を引き起こす可能性があります。そこで、環境問題に配慮した物流として、原材料調達から商品の輸配送、廃棄、リサイクルまでをトータルに考えるグリーンロジスティックスが推進されています。
おわりに
やはりお店は売りたい商品をお客様に売るために工夫を凝らしており、商品の調達方法も考えられています。最近では、環境に配慮した運営が注目を集めています。