【5分で納得】住宅瑕疵担保履行法
特に見てほしい方
☑︎宅建士試験を受験したい方
☑︎不動産関係の仕事をしている方
☑︎不動産に興味がある方
はじめに
今回は住宅瑕疵担保履行法を解決していきます。
住宅瑕疵担保履行法
品確法(「住宅の品質確保の促進等に関する法律」)によって、新築住宅の売主には10年間の瑕疵担保責任が課されています。しかし、このような法律があったところで、売主に充分な資金力がなければ、瑕疵担保責任が履行されず、住宅の買主の保護が図れなくなります。そこで、品確法による瑕疵担保責任の履行を確保するため、住宅瑕疵担保履行法により、売主(宅建業者)に資力確保義務が課されました。
用語の意味
新築住宅
新たに建築された住宅で、人の住居のように供されたことがないもの(建設工事完了日から1年を経過したものを除く)。
特定住宅瑕疵担保責任
品確法の規定による担保責任のこと。
資力確保措置が義務付けられている者
宅建業者が売主となり、宅建業者以外の者(買主)に新築住宅を引き渡す場合、資力確保措置が義務付けられます。
ポイント
資力確保措置の方法
資力確保措置の方法には、保証金の供託(住宅販売瑕疵担保保証金の供託)と保険への加入(住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結)の2つがあります。
保証金の供託(住宅販売瑕疵担保保証金の供託)
宅建業者は、各基準日(毎年3月31日と9月30日)において、基準日前10年間に引き渡した新築住宅について、住宅販売瑕疵担保保証金の供託をしていなければなりません。
ポイント
供託先とは?
宅建業者の主たる事務所の最寄りの供託所
供託する額は?
基準日前の10年間に引き渡した新築住宅の合計戸数をもとに計算した金額
供託するものは?
金銭のほか、有価証券もOK
国債:額面金額の100%
地方債・政府保証債:額面金額の90%
それ以外の国土交通省令で定める有価証券:額面金額の80%
保証金の還付によって補償金が不足することになった場合は?
- 還付があった旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内に不足額を供託しなければなりません。
- 供託後2週間以内に免許権者に届け出なければなりません。
保険への加入(住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結)
住宅販売瑕疵担保責任保険契約(住宅瑕疵担保法が定める資力確保措置のための保険契約)と認められるための保険契約の要件は、次のとおりです。
- 宅建業者(売主)が保険料を支払うものであること。
- 宅建業者が瑕疵担保責任を履行したことによって生じた当該宅建業者の損害を填補するものであること。
- 宅建業者が相当の期間を経過しても瑕疵担保責任を履行しない場合には、買主宅建業者以外の者の請求により損害填補するものであること。
- 損害填補するための保険金が2,000万円以上であること。
- 有効期間が10年以上(買主が新築住宅の引渡しを受けた時から10年以上)であること。
資力確保措置の状況に関する届出等
新築住宅を引き渡した宅建業者は基準日ごと(毎年3月31日と9月30日)に免許権者に対して資力確保措置の状況について届出を行わなければなりません。
ポイント
届出先は?
免許権者
届出の期限は?
基準日から3週間以内
届出をしなかったら?
基準日の翌日から50日以後は、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結してはならない。
供託所の所在地等の説明
新築住宅の売主である宅建業者が保証金(住宅販売瑕疵担保保証金)の供託をしている場合には、売買契約を締結するまでに買主(宅建業者を除く)に対して、供託所の名称や所在地等を書面を交付して説明しなければなりません。
おわりに
住宅販売瑕疵担保責任により、肝心の事業者が倒産してしまっていても、お引き渡しから10年以内に瑕疵が見つかった時に、保険金や保証金で修理費用をカバーしてくれるので、マイホームを考えている方にとっては優しい制度です。