【苦手を克服】危険負担
特に見てほしい方
☑︎宅建士試験を受験したい方
☑︎不動産関係の仕事をしている方
☑︎不動産に興味がある方
はじめに
みなさんは友達にあげようと思っていたものが、実はなくしてしまっていたり、壊れていたりしていた経験はありますか?僕は友達に日本酒をあげようとしたら、瓶を割ってしまった経験があります。
今回は危険負担を解説していきます。
危険負担
例えば、A(売主)とB(買主)で建物の売買契約を締結し、契約後に建物が消滅したとします。この場合において、建物の滅失原因が売主(A)の故意・過失によるものだとするならば、売主(A)の債務不履行となり、買主(B)は契約の解除や損害賠償を請求することができます。
一方、建物の滅失原因が、天災や第三者による放火など、売主(A)の故意・過失によらないものだとするならば、その不利益は売主(A)と買主(B)のどちらが負担すべきかということが問題になります。これを危険負担といいます。
不動産取引の危険負担
前記の例において、建物が天災等によって滅失した場合、売主(A)の建物引渡債務は消滅します。また、この場合、売主(A)に故意・過失がないため、売主(A)は債務不履行責任を負いません。
では、買主(B)の代金支払債務はどうなるのかというと、これは原則として消滅しません。ですから、買主(B)は天災等によって目的物が消滅した場合、代金を支払わなければならないのです。つまり、売買契約成立後、不動産が天災や放火等、売主(A)の故意・過失によらない事由により消滅・損傷した場合には、原則として、その不利益は買主(B)が負担する事になるのです。
原則
売買契約後に、売主の故意・過失によらず目的物が滅失・損傷した場合には、買主がその不利益を負担します。
例外
停止条件付売買契約の場合は、売買契約後、停止条件の成就前に売主の故意・過失によらず、目的物が滅失した時は、売主がその不利益を負担します。
ポイント
- 買主が代金を支払わなければならない場合において、たとえ目的物の一部が損傷した時でも、買主は代金の金額を支払わなければなりません。
- 危険負担について、当事者間で特約をすることができます。
おわりに
不動産取引における危険負担は、売主の故意・過失がなく、目的物が消滅した場合、買主は代金を支払わなければならない取扱いになりますが、一般の取引の場合には目的物が消滅した場合には、買主は代金を支払わなくてよくなりますので、注意が必要です。