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【5分で納得】債務不履行、解除

特に見てほしい方

☑︎宅建士試験を受験したい方

☑︎不動産関係の仕事をしている方

☑︎不動産に興味がある方

 

 

はじめに

 みなさんは頼まれたことができなかった経験ありますか?僕は飲み会のお店の予約を頼まれて、忘れてしまったことあります。

 今回は債務不履行と解除を解説していきます。

 

不動産の売買契約における債務

 不動産の売買契約において、債務とは、買主の代金を支払う債務(代金支払債務)及び売主の不動産を引き渡す債務(不動産引渡債務)をいいます。

 

債務不履行

 債務不履行とは、債務者が債務の(本旨に従った)履行をしないことをいいます。債務不履行には履行遅滞履行不能があります。

 

履行遅滞

履行遅滞

 履行遅滞とは、債務を履行できるにも関わらず、決められた時期に履行しないことをいいます。

 

履行遅滞の要件

 次の要件を満たした場合に、履行遅滞となり、債権者は債務者に対して損害賠償の請求をすることができます。また、契約を解除することもできます。

  • 履行が可能なのにもかかわらず、履行期を過ぎても履行しない。

期限の種類

履行期

確定期限のある債務

期限が到来した時。

不確定期限付債務

債務者が期限到来を知った時。

期限の定めがない債務

債務者が履行の請求を受けた時。

 

  • 債務者の責めに帰すべき事由があること。

責めに帰すべき事由

 債務者に故意(わざ)とまたは過失(ミス)がある場合。

 

  • 債務者に同時履行の抗弁権がないこと。

同時履行の抗弁権

 双務契約の当事者は、相手方が履行の提供するまでは自分の債務の履行を拒むことができるとする権利。

 

履行不能

履行不能

 例えば、売り渡すつもりの建物が、売主の責任による火事で燃えてなくなってしまった場合、その建物を買い主に引き渡すことができません。このように、債務を履行することが不可能になった状態を履行不能といいます。

 

履行不能の要件

  • 契約時には履行が可能であったものが、不可能となること。
  • 債務者の責めに帰すべき事由があること。

 

損害賠償の請求

 債務不履行に対して、債権者は債務者に対して、損害賠償の請求をすることができます。

 

損害賠償の原則

 損害賠償は、原則として金銭によって行います。また、債務不履行に関して、債権者にも過失があった場合は、それを考慮して損害賠償の責任及び損害賠償額を定めます。これを過失相殺といいます。

 

損害賠償額の予定

 損害賠償額は、契約の当事者間であらかじめ決めておくことが出来ます。これを損害賠償額の予定といいます。

 

損害賠償額の予定のポイント

  • 損害賠償額の予定がされると、実際の損害額がいくらであれ、予定した金額が損害賠償額となります。
  • 損害賠償額の予定がされると、たとえ裁判所でも、その額を増減することはできません。
  • 損害賠償額の予定は、契約と同時に行う必要はないが、すでに損害が発生した後に予定することはできません。
  • 違約金は、債務不履行による損害賠償額の予定と推定します。

 

金銭債務の特則

 金銭債務とは、代金支払債務など金銭を支払う義務をいいます。

 

  • 金銭債務には履行不能はありえないので、債務不履行履行遅滞となります。
  • 金銭債務については、債務者に故意・過失がなくても債務不履行が成立します。
  • 債権者は損害の証明をせずに、損害賠償を請求することができます。
  • 損害賠償の額は法定利率(年5%)によって計算します。

 

契約の解除

契約の解除

 契約の解除とは、契約が成立した後に、当事者のうち片方(解除権者=解除権を有する者)の一方的な意思表示で、契約の効果を消滅させ、始めから契約がなかったものにすることをいいます。

 

契約の解除のポイント

  • 一旦解除の意思表示をしたら撤回はできません。
  • 解除権者が複数いる場合は、解除権者全員で解除の意思表示をします。
  • 解除権者の相手方が複数いる場合は、解除権者は相手方全員に解除の意思表示をしなければなりません。

 

債務不履行による契約の解除

 履行遅滞の場合も、履行不能の場合も、契約の解除ができますが、解除の要件が異なります。

 

履行遅滞の場合

 債権者は相当の期間を定めて履行を催告し、その期間に債務者から履行がない場合に、契約を解除することができます。

 

履行不能の場合

 債権者は催告なしに直ちに契約を解除できます。

 

解除の効果

 契約が解除されると、その契約者は最初からなかったものとなります。

 

  • 契約が解除されたときは、各当事者は現状回復義務を負います。
  • 契約を解除した場合でも、解除権者は損害が生じていれば、損害賠償請求をすることができます。

 

おわりに

 契約を解除したら、お互いに契約前の状態に戻す必要があり、金銭の返還の場合は金銭を受領した時からの利息をつけて返し、不動産の返還の場合は使用料相当額を支払うという点も抑えておいてください。