【5分で納得】物権変動
特に見てほしい方
☑︎宅建士試験を受験したい方
☑︎不動産関係の仕事をしている方
☑︎不動産に興味がある方
はじめに
今回は物権変動を解説していきます。みなさんがつまずくテーマの一つなので、わからなくなったら、先へ進んで、ざっくり理解していってください。
物権と債権
物権とは、物を直接的・排他的に支配する権利をいい、物件には所有権、地上権、抵当権などがあります。
物権変動と登記
不動産に関する物権の変動(所有権の移転、抵当権の設定など)は、登記がなければ、原則として、第三者に対抗することができません。
ポイント
- 当事者間では登記がなくても、物権の変動を対抗できます。
- 第三者は善意・悪意を問いません。
- 登記は先にした者が勝ちます。
例外
下記の者に対しては、登記がなくても所有権を対抗できます。
- 詐欺・強迫によって登記を妨げた者
- 他人のために登記の申請をする義務がある者
- 背信的悪意者
- 無権利者
- 不法占有者
要するに、明らかな悪意者には登記がなくても対抗できます。
取得時効と登記
時効完成時の当事者
時効取得者(時効により所有権を取得した者)は、時効完成時に登記がなくても、元の所有者に対して「自分が所有者である」と所有権を主張できます。
時効完成前に所有権を取得した第三者と時効取得者
時効取得者は、時効完成時に登記がなくても、時効完成前に所有権を取得した第三者に対して「自分が所有者である」と所有権を主張できます。
時効完成後に所有権を取得した第三者と時効取得者
時効完成後に所有権を取得した第三者と時効取得者は対抗関係にあるので、先に登記をした方が所有権を主張できます。
取消しと登記
取消し前に所有権を取得した第三者と取消権者
取消権者(契約を行為能力の制限や詐欺・強迫等を理由に取り消した者)は登記がなくても、取消し前に所有権を取得した第三者に対して所有権を主張できます。なお、制限行為能力者が行った契約が取り消された場合や強迫による契約が取り消された場合は、第三者が善意でも悪意でも取消権者は所有権を主張できますが、詐欺による契約が取り消された場合は、第三者が善意の時には取消権者は所有権を主張できません。
取消後に所有権を取得した第三者と取消権者
取消後に所有権を取得した第三者と取消権者は対抗関係にあるので、先に登記をした方が所有権を主張できます。
解除と登記
解除
解除とは、契約が成立した後に、当事者のうち片方(解除権者=解除権を有する者)の一方的な意思表示で契約の効果を消滅させ、はじめから契約がなかったものとすることをいいます。
解除前に所有権を取得した第三者と解除権者
契約が解除される前に所有権を取得した第三者がいる場合、解除前に所有権者を取得した第三者と解除権者は、先に登記をした方が所有権を主張できます。
解除後に所有権を取得した第三者と解除権者
解除後に所有権を取得した第三者と解除権者は対抗関係にあるので、先に登記をした方が所有権を主張できます。
賃貸不動産の譲渡と登記
賃貸不動産(賃貸マンションなど)の売買があった場合、賃貸不動産の買主は、登記がなければ、当該不動産の賃貸借人に対して所有権を主張することができません。
おわりに
一回で理解するのは難しいテーマに入ってきました。頭に全然入ってこない時は一度手を止めて、時間が経ってから、記事を読むことをおすすめします。