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【5分で納得】食に関する法規

特に見てほしい方

☑︎食品関係で仕事をしている方

☑︎健康管理に興味がある方

☑︎食生活アドバイザー検定を受ける方

 

 

はじめに

 食に関する法規をまとめてみました。ぜひ、「こんなものがあるんだ!」と参考にしてください。

 

食生活に関する法律

食品表示

 JAS法、食品衛生法健康増進法に定められていた食品の表示に関する規定を統合し、食品表示に関する包括的かつ一元的な制度を創設するものとして策定された法律です。2015年7月1日に施行されました。

 

食糧法

 正式名称は「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」。

 従来は食糧管理法に基づき、米や小麦などの生産・流通・消費の全過程を政府が統制していましたが、1995年に食糧管理法は廃止され、新しい食糧法によって民間流通を中心とした現在の食料制度に移行しました。

 

食育基本法

 「食育」とは、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することのできる人を育てる取り組みをいいます。食育基本法は食育に関する基本理念を定めるとともに総合的計画的に食育に関する施策を推薦して行くための法律です。

 

食品安全基本法

 食品安全基本法は、食品の安全性確保に関する施策を総合的に推進するための法律。食品の安全性の確保に関する基本理念や施策の策定に関する基本方針を定めるほか、国・地方公共団体・食品関連事業者の責務、消費者の役割について規定します。

 

JAS

 正式名称は「農林物資の規格等に関する法律」。

 飲食料品や農林物資が一定の品質または特別な生産方法で作られていることを保証するJAS規格制度を定めており、この規格を制定し、普及させることによって品質の改善、生産の合理化、取引の単純公正化などを図ります。JAS規格の検査に合格した製品にだけ、JASマークを付けることが認められています。

 

食品衛生法

衛生面からの安全確認

 食品の安全性確保のために公衆衛生の見地から必要な規制を行うことにより、飲食によって起きる危害の発生を防止する法律です。国民の健康の保護を目的としており食品・添加物・容器包装などの規格基準の策定のほか、規格基準に適合しない職員等の製造販売等の禁止等による飲食店との営業許可、農薬等の残留規制の強化(ポジティブリスト制度)など広く食品と関係する事項を対象としています。従来は食中毒などの見地から販売用の食品の添加物の表示に関する基準を定めていましたが、食品表示に関する規定は食品表示法に移管されました。

 

農薬の使用に関する規制

 農薬の使用については残留してはならない農薬だけ基準値を定めてリスト化していたので、基準値の定められていない。農薬が食品から見つかっても、その食品の流通を規制することができませんでした。

 そこで2006年、ポジティブリスト制が始まり、原則としてすべての農薬に基準値を定めました。現在では基準値を超えた残留農薬が見つかったときは、その食品の流通を禁止することができます。

 

従来の制度との比較

従来の制度

ネガティブリスト制度

2006年5月末〜

=ポジティブリスト制

l  原則規制がない状態

l  規制するものだけをリスト化

l  リスト外のものは規制できない

l  原則規制された状態

l  使用・残留を認めるものをリスト化する

l  リスト外のものについては一律基準を適用

 

健康増進法

 国民保健の向上を図ることを目的とした法律です。病者、妊産婦、乳幼児などの特別の用途に適用する旨の表示をしようとする場合は、健康増進法に基づく国の許可が必要です。特定健康用食品特別用途食品がこれに該当します。なお、従来は栄養成分表示についても定めていましたが、食品表示法に移管されました。

 

景品表示法

 正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」です。

 広告や容器に書かれている商品説明などが実際よりも優れているような表示になっていたり、過大な景品を付けて販売したりする行為を禁止することにより、一般消費者の利益を保護することを目的とした法律です。

 また、景品表示法は、事業者等が内閣総理大臣及び公正取引委員会の認定を受けて表示や景品類に関する自主的なルールを定めることを求めています。このような業界ルールを公正競争規約といいます。

 

ISOのマネジメントシステム

 ISO(国際標準化機構)とは、電気および電子技術分野を除く全産業分野の国際的な規格を策定している国際機関です。

 

代表的なISO規格

ISO9001

(品質)

製品やサービスの品質向上によって、顧客や市場ニーズに応えるための品質マネジメントシステムの国際規格。最近はコンプライアンスコーポレートガバナンスの要素の一つである業務効率の改善や組織体系の評価にも活用されている。

ISO14001

(環境)

「サスティナビリティ」の考え方に基づき、環境リスクの低減と経営との両立を目指す環境マネジメントシステムの国際規格。

ISO22000

(食品安全)

HACCPの手法を取り入れた食品安全マネジメントシステムの国際規格。

 

コンプライアンス

 「法令遵守」ともいい、法律や社会のルール違反に反することなく、企業活動を行うことを意味します。食品の偽装表示事件などが相次ぐ中、コンプライアンスの重要性が再認識されています。

 

コーポレートガバナンス

 「企業統治」ともいい企業の健全に運営して行くための仕組みをいいます。

 

コーポレートガバナンスの主な目的

  • 経営者に権力が集中することによって起こる弊害を監視し、防止する。
  • 組織ぐるみの違法行為を監視し、防止する。
  • 企業理念の実現に向けて業務が行われているか監視する。

 

サスティナビリティ

 持続可能性という意味です。環境問題に対する取り組みや社会貢献活動といった社会的側面を含め、継続性を持って企業活動を続けられるようにしようという考えです。

 

おわりに

 全ての法律は長い歴史の中で、世の中を良い方向へと導くために作られたものです。今後、企業には健全な業務運営が求められるのは間違いないです。